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死体の取り扱い方②

・筆者の経験2


 祖父に薬が投与され、どうなるかがわかるまで少しかかると言われたため、筆者と姉は少し休んでくるように言われ車でコンビニエンスストアまで行きました。姉は筆者よりも動揺しており、『死んでしまうのかなぁ』と涙ぐみながら筆者の顔を見ていました。

 そのとき、姉の携帯電話がなりました。父からでした。父は理由を告げずに、私たちに病室に戻ってくるように言いました。筆者と姉は祖父に何かがあったのだと悟りました。何かよくないことが起こったと悟ったのです。姉はさらに動揺してしまい、赤信号を無視してしまいそうにもなりましたが、深夜だったこともあり、無事に病院までたどり着きました。

 早足で病室までたどり着くと、病室からは大きな泣き声と祖父の名を呼ぶ声が聞こえました。筆者は父に状況を聞きました。薬を投与してしばらくしてから、祖父の体が大きく跳ね上がり、苦しみ出したそうです。そして全身の筋肉が緊張と緩みを繰り返し、最終的に人工呼吸器での呼吸も苦しそうな音を立て始めたそうです。主治医はもう長くないと判断し、筆者の両親に、筆者と姉を呼ぶように伝えたそうです。

 筆者が病室に入ってから祖父の死まではそう長くありませんでした。医療ドラマでよく見るような、心臓や身体活動をモニターする機械は断続的な心拍の音から、警告を意味するアラームの音に変化し、祖父の呼吸も少しずつ感覚が長くなり、弱くなっていきました。心拍数の数値が40くらいまで下がり、一気に0まで落ちました。祖父の心臓が止まったのです。機械はアラームの音を鳴らしながらも、バックグラウンドで継続的な音を鳴らしていました。心臓の停止を意味する音です。

 主治医は我々に尋ねました。『今から我々がお爺様に心臓マッサージなどの蘇生を試みるかどうかはあなた方の判断に委ねられます。心臓が再び動き出すことがあってもお爺様は1日も持たないでしょう。』今度は総意で、蘇生の拒否をしました。主治医は自身の腕時計を見つめながら臨終を告げました。

 祖父が亡くなると、病室にいた祖父の兄弟姉妹、筆者の両親、母の妹、筆者、姉など皆が泣き始めました。祖父と仲が良かった看護師たちが祖父の体に刺さった針などを抜き始め、そして我々に涙を浮かべながらこう告げました。『こんなにたくさんの人に看取られて亡くなっていくお年寄りは最近では珍しいです。お爺様は幸せ者ですね。』と言ってくれました。そのときは、看護師たちが筆者の心情を想ってそう言ってくれたのだと思いました。

 その後、祖父の葬儀は滞りなく済み、我々は日常生活を取り戻していきました。

 

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